行きつけのリサイクルショップのジャンクケーブルのコーナーに、何やら茶色い箱が場違いな感じでおかれていました。「玉子どうふ器」。ナニコレ?
箱の中を確認すると、料亭や旅館の厨房にある(勝手なイメージ)「流し缶」という調理器具でした。
「流し缶」は、正方形や長方形で深さ5cmくらいのステンレス製の箱で、中に抜き板(中底)が入っていて、寒天やゼラチンを使った料理を固めるための型のことで、抜き板を持ち上げることで玉子どうふみたいに柔らかい料理もきれいに型から外すことができます。
コレを見た瞬間、「玉子どうふ」ではなく、以前テレビで見た福井の水ようかんを作っているシーンが頭に浮かびます。
「水ようかん」作りたい。
この偶然の出会いに運命を感じ、すぐさま購入することに。
冬の水ようかん
「水ようかん」って夏のイメージがありませんか?カップに入ったよく冷えた水ようかんを、暑い日に麦茶を飲みながらプラスチックのスプーンでですくって食べると夏って感じがします。
でも福井県では、冬に暖かい部屋でこたつに入って、冷やした水ようかんを食べるのが一般的なんだそうです。カップに入ったものもありますが、長方形の薄い箱に入った「丁稚(でっち)ようかん」というのが有名です。
福井にいかなくても自分で作れば、冬でも水ようかんを楽しむことができます。
水ようかんの材料と分量
「水ようかん」は少ない材料で意外と簡単に作ることができます。
まずは、水ようかんの全体量を決めます。買った流し缶の最大容量は以下の通り。
・流し缶の内寸 縦15cm 横13.5cm 深さ4.7cm
・最大容量 15×13.5×4.7=951.75ml
水ようかんの量を流し缶の深さ4cm以下におさめたいので、15×13.5×4=810ml の半量を水の量としました。
道具
- 鍋
- へら(木べら、ゴムべら など)
- 鍋
- 流し缶 ※プラスチックの保存容器やカップなどで代用可
≪材料 1≫甘さ控えめ
- こしあん(市販品) 400g
- 水 400ml
- 粉寒天 4g
- 塩 ひとつまみ
≪材料 2≫より柔らかく、黒糖のコクをプラス
- こしあん(市販品) 300g
- 水 400ml
- 黒糖(なければ砂糖) 10g
- 粉寒天 4g
- 塩 ひとつまみ
水ようかんの作り方
- 鍋に水と粉寒天(材料2では黒糖も一緒に)を入れ、へらで混ぜながら中火で粉寒天を煮溶かします。沸騰したら弱火におとし2分ほど加熱します。寒天はしっかり加熱しないと固まらないので注意が必要です。
- 鍋の火を止めて、こしあんを3回くらいに分けて入れ溶かします。しっかり混ぜることで仕上がりがより滑らかになります。
- こしあんがしっかり溶けたら、鍋を再度火にかけます。こげないようゴムベラでなべ底から混ぜながら沸騰させます。
- 鍋を火からおろし粗熱を取ります。鍋より一回り大きなボールなどに水を入れ、なべ底を水にあてながらへらで混ぜて、とろみがつくまで冷まします。冷えすぎると型に入れたときに表面が滑らかに仕上がりませんので、冷やしすぎに注意しましょう。
- 水にくぐらせた流し缶に4を流し入れ、ラップをせず冷やし固めます。常温まで冷めたら冷蔵庫でしっかり冷やしましょう。
- しっかり冷えたら型から外して(流し缶だときれいに取り出せます)、ひとりサイズにカットして出来上がり。食べきれない分はタッパー等で保存します。
※流し缶がなくても大丈夫。プラスチックの保存容器で代用したり、一人分ずつカップで作ってもおいしく食べられます。
まとめ
水ようかんに使うこしあんは、業務用スーパーで買った1kg入りのものを使っています。
地元の業務用スーパーでは「北海道産小豆を使い、最終加工地_日本」のものと「最終加工地が海外」のものがありました。原材料を見ると前者は「小豆・砂糖・寒天・甘味料(ソルビトール)」、後者は「小豆・砂糖」とあります。北海道産小豆にひかれたものの甘味料の味が苦手なので、「小豆・砂糖」のみでできているこしあんを選んでいます。
産地や原材料など自分で好みを選ぶことができること、甘さなども自分で決められることが手作りの良さではないでしょうか。
流し缶がなければ、プラスチックの保存容器や一人分ずつカップで作ってもおいしく食べられます。
手作り水ようかんは、甘さ控えめで滑らかな舌触りですっきりとした味です。(材料1で作っています)手軽に作ることができる水ようかんは我が家の定番おやつになりそうです。
さて、せっかく手に入れた「流し缶」。次は何を作ろうかなぁ。