自転車の練習はペダルを外して|子供をやる気にさせる自転車練習法

自転車のすすめ

「はなさないでね!! ぜったいだよ!!」
って自転車の荷台を持ったおとなに叫びながら、自転車の練習をした思い出はありませんか。
中腰になって自転車を押しながらずっと走って、手を放して転んだりしたらこどもからも周りからも怒られて…
今、おとなになって考えるととても申し訳ない気になります。
でもね、今の自転車練習方法はおとなにやさしいのです。おとなの役割は「ペダルを外す」ことと「けがをしないようサポートする」ことだけです。あとは、こどものやる気さえあれば大丈夫です。
こどももひとりで自転車に乗れるようになるので、自信や達成感につながります。

こどもがやる気になったら、自転車の練習はじめてみましょう。

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自転車練習の手順

昔の練習方法では、一生懸命自転車の荷台を押してもらって、一生懸命ペダルをこごうとして。なのになかなかうまく乗れるようになれなかったと思いませんか。
乗れるようになると慣れて忘れてしまいますが、自転車に乗るということは、いろいろなことを同時に行っているんです。具体的にいうと、おおきく「自転車のバランスをとる」ことと「ペダルをこいで推進力を得る」ことの2点です。
自転車で一番重要なのは「自転車のバランス」なのですが、ペダルをこぐことに集中してしまうと自転車のバランスがとれず転んでしまうという悪循環におちいってしまいます。

ならば、「自転車のバランス」に集中できるよう、ペダルを外してしまいましょう。

自転車の練習の手順は以下のとおりです。

  1. 補助輪を外す
  2. サドルを外しサドルのサドルの高さを調整する
  3. 自転車のハンドルをもってお散歩
  4. ゆる~い坂道を下る
  5. ペダルをもどす。
  6. ゆる~い坂道を下りながらペダルに足をのせよう(まだこがないよ)
  7. ゆっくりこいでみよう
  8. 止まった状態からこぎ出してみよう

準備するもの

服装

自転車の練習は転ぶのが前提です。けがを防ぐ服装を心がけましょう。

  • ヘルメット
    頭を守るため、必ず自転車用ヘルメットをかぶりましょう。
    児童・幼児は平成20年6月1日から、道路交通法で「自転車に乗車させるときや、自転車に同乗させるときは、乗車用ヘルメットを着用させるよう努めなければならない」とされています。
    必ず着用させ、習慣づけするようにしましょう。
    また、令和5年4月1日からは「自転車を運転するすべての人がヘルメットをかぶることに努めなければならない」とされました。いまのところは努力義務ですが、おとなが率先して見本をみせたいものです。
  • 長袖、長ズボン
    ヒジ・ヒザを守るため長袖、長ズボンを着用させましょう。ヒジ・ヒザ用のプロテクタがあればさらによいでしょう。

道具

  • スパナ
    ・補助輪取り外し用
    15mm
    ・サドル(腰掛)の高さ調整用
    サドル用は13mmもしくは14mmが使われていることが多いです。
    スパナのサイズは実際にサドルポスト(棒の部分)を締め付けているボルトのサイズを確認しましょう。もしかするとレバーで締め付けるようになっていて、スパナが必要ないかもしれません。
  • ペダルレンチ
    ペダルを外すのに使います。
    ペダルレンチはペダルを外すためだけの道具です。持ってるよっていう家庭は少ないと思いますが、自転車量販店で1,000円台で購入できます。(通信販売ならもっと安いかも)
  • マイナスドライバー

さあ、練習を始めよう

補助輪を外す

練習する自転車に補助輪が付いているときは、まず補助輪を外しましょう。

  1. 後輪の軸に被っているプラスチックのキャップをマイナスドライバーでこじって外します。
  2. 後輪の軸のナットを15mmのスパナで反時計回りに回して外します。
  3. 補助輪を軸から外します。
    荷台などがあるときは、補助輪を外したあと順番を間違えないよう戻します。
  4. 外したナットを時計回りに回して締め直します。
  5. 左右に補助輪があるときは、両側とも外します。

補助輪を外し終わったら、後輪の軸のナットをしっかり締めましょう。
後輪を持ち上げ手で回してみて、タイヤのブレがないかじっかり確認します。
もしブレがあるようでしたら両側のナットをゆるめて、締め直しましょう。

サドルを外しサドルのサドルの高さを調整する

ペダルの外し方

自転車のバランスの練習に集中するため、ペダルを外します。外さなくても大丈夫ですが、練習中に足をぶつけたり、バランスの練習中にぺダルをこぎたくなるのを防ぐためも外したほうがよいでしょう。
外し方は、ペダル(足をのせる部分)の根元をペダルレンチではさんでまわします。
注意が必要なのは回す方向。
右と左で回す方向が逆になります。(ここでいう右・左は、自転車に乗った状態での右・左です)
後ろブレーキをかけながら作業すると安定します。

ペダルレンチの回す方向は
《右ペダル》
 ゆるめる : 反時計回り
 しめる  : 時計回り
《左ペダル》
 ゆるめる : 時計回り
 しめる  : 反時計回り

左側は、こいでいるときにペダルが緩まないように「逆ねじ」になっていますので注意しましょう。

サドルの調整方法

サドルポスト(棒の部分)を締め付けているボルトをゆるめ、サドルの高さを調整しボルトを締めなおします。

スパナの回す方向は
 ゆるめる : 反時計回り
 しめる  : 時計回り

サドルの高さですが初めは安全のために、サドルにまたがって両足のかかとがしっかりつくように調整しましょう。

自転車のハンドルをもってお散歩

自転車の左側に立って、ハンドルを両手で握ります。
まだ自転車に乗らず自転車を押して歩きましょう。自転車自体になれるとともに、ハンドルをきって曲がる、ブレーキを握って止まるといった基本操作に慣れておきましょう。また倒してしまった自転車を起こす練習もしておきましょう。
こどもには退屈な練習なのでほどほどの時間で大丈夫ですが、ここで自転車に慣れておくとこの先の練習がスムーズになります。

ゆる~い坂道を下ろう

自転車にまたがって、バランスをとる練習です。
練習する場所ですが、公道ではなく、公園内の舗装された道など安全な場所を選びましょう。

足で蹴って進む

まずは平たんな道で自転車にまたがって、足で地面を蹴りながら進む練習をしましょう。
ゆっくりでいいので、バランスをとって少しずつ進みます。
慣れてきたら一蹴りで進む距離を少しずつ伸ばしいきましょう。
いっしょにブレーキの練習も。スピードが出ているときにブレーキを強く握ると転倒の原因になり危険です。スピードが出ないこの段階で、ブレーキを握るタイミング、ブレーキを握る強さを覚えるようにしましょう

ゆる~い坂道を下る

ゆる~い下り坂道でさらにバランスの練習です。
下り坂ですので、地面を蹴り続けなくても自転車は進んでいきます。
最初に地面を蹴ったら、できるだけ長く足をつかずに進む練習をします。初めは不安だと思いますので、おとながこどもの背中に手をそえてサポートしてあげましょう。少しスピードもでますので、いっしょにブレーキをゆっくり握る練習もしていきましょう。

どうしても足元に視線がいってしましますので、なるべく遠くを見るようアドバイスしてあげます。
慣れてきたらこどもだけで練習です。すこしずつバランスをとれるようになります。

楽しく練習できるよう、声をかけてモチベーションを上げてあげましょう。

ある程度バランスがとれるようになったら、ほぼ自転車には乗れています。
次の段階へ進みましょう。

ペダルをもどす

外していたペダルを戻します。手順は外した時の逆です。
注意が必要なのは3点。

ペダルには左右があります

ペダルは左右でねじの切り方が違いますので、取り付けるとき間違えないようにしましょう。
左右の見分けかたは簡単。ペダルをよく観察するとどこかに「L」または「R」の刻印があるはずです。「L」が左ペダル、「R」が右ペダルです。もし心配でしたら、外したペダルに左・右の印をつけておきましょう。
間違ってペダルを逆に取り付けようとすると、自転車側のねじを破損してしましますので、気を付けましょう。

締め付けるときの回す方向に気をつけて

ペダルの外し方でも書きましたが、左ペダル側が逆ねじになっていますので、まわす方向に注意しましょう。
ネジ込みが斜めにならないよう、最初は手で締め付けられるところまで工具を使わずに締めこんでいきます。後ろブレーキをかけながら作業すると安定します。

ペダルレンチの回す方向は
《右ペダル》
 ゆるめる : 反時計回り
 しめる  : 時計回り
《左ペダル》
 ゆるめる : 時計回り
 しめる  : 反時計回り

しっかりしめよう

ペダルは常に回転する部分です。乗車中に緩まないようしっかりと締め付けましょう。
ペダルを手で締め込み、最後はペダルレンチを使って後ろブレーキをかけながら体重を掛けて、しっかり締めつけましょう。

ゆる~い坂道を下りながらペダルに足をのせよう(まだこがないよ)

ペダルが付いたら、また坂道練習です。
自転車に乗る前にペダルの位置を、右が前、左が後ろになるよう、地面に水平にします。

ペダルを外しているときと同様下り坂でバランスを取りながら、足をペダルにのせます。
まだ漕ぎません。のせるだけです。

どうしても足をペダルにのせるのに注意がいってバランスを崩しがちになります。
なるべく遠くを見るようアドバイスするとともに、慣れるまでは隣でサポートしてあげましょう。

遠くを見ながら、スムーズにペダルに足をのせられるよう練習します。

ゆっくりこいでみよう

「ゆっくり漕いで~」

坂を下りながらペダルに足をのせられたら、声をかけてあげましょう。
きっと、もう自転車に乗れているはずです。

もしうまくいかなくても、怖がらないよう隣で背中を軽くささえてあげればすぐに乗れるようになります。前を向いて漕いでいきましょう。

止まった状態からこぎ出してみよう

さて、いつもいつも坂道があるわけではありませんので、こぎ出しの練習です。

  1. 自転車にまたがり左足で立つ。
  2. 右足をペダルの上にのせる。(ペダルの位置は、前方上ななめ45度くらい)
  3. 右足をグッと踏み込み、左足で蹴りだす。
  4. 左ペダルが上に来たら左足をペダルにのせてこぐ。
  5. 右ペダルが上に来たら右足をこぐ。
  6. 左ペダルが上に来たら左足をこぐ。
  7. 繰り返し…

最初は横でささえてあげましょう。
漕ぎ出しがうまくいけば、すぐにひとりで自転車に乗れるようになれます。

こぎ出しの足について

自転車は道路交通法上、軽車両に位置付けられています。そのため原則車道の左側を走らなければいけません。信号待ちなどで車道の左側に停車するとき自動車が走行する右側に転倒するのをさけるため、左足を地面につけ停車し、右足からこぎ出すように癖をつけましょう。

まとめ

自転車の練習方法について書きてきましたが、ひとりひとり、こどもの性格や体力によって進み具合もまちまちです。
あまり無理をさせないことが大事ではないでしょうか。無理をさせて練習がイヤになってしまってはしかたありません。
すべての段階を完璧にこなす必要もありません。苦手な段階はある程度のところで切り上げて、よりサポートしてあげながら次の段階に進めてみると案外うまくいくものです。

うちの子の場合は、「自転車のハンドルをもってお散歩」はつまらないみたいでほとんどやりませんでしたし、「ゆる~い坂道を下る」も完全に足を離すことはできませんでした。それでもある程度練習した後ペダルをつけてこがせてみると、ペダルをこぐことで推進力が得られバランスがとりやすくなるのか、すぐにひとりで乗れるようになりました。

自転車の練習で大切なのはバランスですが、それ以上に大切なのはこどものやる気をなくさせないことです。「何でできないの」なんて言わないで、じっくりとサポートしてあげましょう。

こどもがやる気になったらはじめ時です。自転車の練習はじめませんか。






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